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2006年12月15日 (金)

永井路子著 「流星 ーお市の方ー」

今の自分の趣味と言えば、日本の歴史かな。これは昨今の大河ドラマの影響が強い。

最近、歴史物の小説やエッセイをよく読む。

大して沢山読んだ訳ではないけども、

永井路子さんの小説、「流星 ーお市の方ー」はとても面白かった。

織田信長の妹、お市の方の激動の人生を描いた小説だ。

戦国時代の女性の役割。
風雲児織田信長がいかに苦難を乗り越えてきたのか。
いままで持っていた戦国時代にたいする考え方が変わった。

この本で、
戦国武将たちの明日の命もわからない中での生き様、政治、外交、軍事。
そして国が大きくなるにつれて敵も増え、窮地を脱するためにはもはや戦う以外に
生き残る道がなくなっていく。
戦国時代の凄まじさなど今まで知らなかった興味深い話をとてもわかりやすく知る事が出来る。

お市は戦国武将の女子として生まれ血のにじむ苦労をし続けた兄、信長のため、
織田家のため自身を捧げる事を願っていた。

浅井長政との婚儀も、全く見知らぬ一国の大名に嫁ぐ不安と、二度と尾張に戻れぬかもしれぬ
寂しさがわき起こる。他の領国に嫁いでいく事は、いわばお家の代表、外交官的な存在であり
まさにお家のためだ。
   
お市は、義理の姉、信長の正室であり、蝮斉藤道三の娘、お儂の
「生きてみなければ、わからない」
との言葉と、兄がお市に浅井家で起こった戦国ならではの残酷な出来事を
「聞くもよし、聞かぬも良し。小谷までに忘れてしまえ」
と、冷たく突き放されながらも
それが戦国で生き抜いていく呼吸のようなものと、
それをはなむけの言葉として兄夫婦の言葉を重ね合わし、戦国の姫として浅井家に嫁いでゆく。

そして遂にその兄と、夫、浅井長政との戦いのはざまに立たされるのである。


時は乱世。男は敵と戦い、女は敵の子を産む。(山岡荘八著 徳川家康より)


この時代の小説を読む事で一番思うのは、
修羅を経験した才能ある実力者たちの泰平を求めるが故の苦難や苦悩である。
そこに一番惹かれるのだろう。

厭離穢土 極楽浄土。徳川家康は戦の度にこの言葉を旗に掲げていた。
大義名分を示すためか、
それとも平和を望みながらも屍を産む戦において自分を戒めたのか
わからないが、苦悩があったには違いない。


話がそれたが、戦国時代に思いを馳せるには
この、流星ーお市の方ーを読むのはとても良かった。

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